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続・青春VAN日記141

ケント社の巻 その107198911月)
<青山のトラさん台北に飛ぶ②>

訪台初日は、満心企業幹部皆様との大歓迎会が待っていた。
まるで青山“萬陳楼”や日光東照宮“陽明門”のような極彩色の輝く豪華レストランで“満漢全席”の如き盛大な宴が始まった。

中国語の出来ない中学生英語の非国際的・原型日本人の私達と、日・英・中国語の入り混ざった満心企業の皆様達との会話は、まるでタモリ氏の“4ヶ国語マージャン”の様に面白かったが、それでも人間の意思というものはなんとか通じるものらしい。

日・台両国の営業社員同士の盛り上げ合戦と化した宴は、やがて“シャンデリアと紫煙とカクテルピアノとポアゾンの香り”の高級飯店(洋式ホテル)の“クラブ”に舞台を移すのだった。

<恐怖の乾杯地獄>

東京での宴会の後のクラブとは、ある意味“くつろぎのひと時” であったのだが、この地では飲めや歌えの騒ぎが続いていた。そして御当地風習の恐怖の宴が待っていた。

ここでは相手の注いだ乾杯の酒は全部飲み干さねばならなかった。皆様方は、友好と好意の気持から乾杯を求めてくれたのだが・・・、一人や二人ならまだ良いが、10人を越えるとなると話は違う・・・。これではまるで、・・大学入学時の新入生歓迎コンパの、“一気飲み地獄”と同じ事だ。(※かつての日本統治時代の日本化風習の名残りなのだろうか?)

・・それは一歩間違えば、強制・拷問に等しい責めでもある。東京でならば即“酒の飲み方”の能書きを話始めている私だが、しかしながらここは外国の地・相手は取引先の御客様であった。“郷に入らば郷に従え”が営業マナーの基本ではある。・・Kentの代表者たる私に欠礼があってはならない・・。

私は、かつての日本全国出張の酒の席で練習させて頂いた・・、“酔っぱらったフリをして酒量を減らす営業技術”を用いて何とか切り抜けたのだが、私と同様に酒の弱い大川君は悲鳴を上げていた。(※・・大学歓迎コンパの一気飲みや台湾式乾杯はもうコリゴリです。)

<倫理観の違い>

さて宴がようやくお開きになり、飯店(ホテル)に向かおうとした時、先様の営業社員の一人が、不思議な動きをした。小指を立てて見せて、私にヒソヒソと何かを囁いたのだが・・・?・・・エッ?・・・鈍い私も、さすがに気が付いた。“女性を呼びましょうか?”と言う事だったらしい。(・・・これも戦前の皇民化教育の余波だったのだろうか?)

・・・昨今良く耳にする、海外での日本人の悪評!世界2位の経済大国になった成り金日本人の“スノッブ”な態度。特にアジア各国へ出張した人達から聞く、日本人の不謹慎な行動。外国での買春やキーセン接待を自慢話の如く口にする愚かな男達。これが、日本人の評価を落としている“噂の現場”なのだろうか?

・・・不肖、私とて誇りある日本男児、石津学校生徒の一人である。「流行では無く風俗を創る!」と唱える企業の社員である私は、意味の異なる「風俗業」の世界などとは生涯無縁の人生を送って来た。私には見知らぬ好意も無い女性を金銭で抱く事などは考えられない。「神仏と女性は尊ぶべし。商品にするべからず。」である。

近頃の旅行代理店の知人の話では、キーセン旅行の男だけで無く、多数の女性客までが、“宿に男性を斡旋してくれ”などという注文が有ると言う・・嗚呼。

ハワイのカラカウア通り・ロスやローマの夜の街角でも見た“シャチョウサ~ン・アッソバナ~イ”のお姉さん達の姿!世界に溢れるLOVE  FOR  SALL・売買春・慰安婦・公娼施設。
そして、身近な世界の中にも溢れる“浮気男に不倫妻”。

・・これらは人間の欲望の“需要と供給”の問題なのか?
・・“不倫や浮気は文化”なのか?・・いや違うだろう!

(中世時代から続く隣国の“キーセン(楽技や性的奉仕をする妓生)接待”。
近世の戦争時代には世界中にもあった“職業慰安婦問題”。現代でも世界を股に暗躍する隣国の売春婦達。売る人間が悪いのか、買う人間が悪いのか?社会風習・職業感の違い・政治・経済・教育の問題だろうか?相手国だけを一方的に非難するのが、“正しい歴史認識”なのか?外国の兵隊相手に慰安施設を造り金儲けしたのはどこの誰なのか?)

・・かつて受講した労働法の授業によれば・・、世界最古の女性の職業は“売春”であったという。日本最古の労働運動は明治の遊郭“東雲の娼婦ストライキ”だった。いったい人間とは“本能のままに生きる生殖動物”なのだろうか?“考える葦”なのに“性の倫理観や道徳観”は無いのだろうか?

「日本人は、全員がサカリのついたアニマルではありません!」 日本男児たる私達は、深夜のお誘いはキッパリと辞退するのでした。

それにしても、海外での日本人のイメージとはいったい何なのか!
エコノミックアニマルとか、○○○アニマル・・だとか。よし、今回の講習会では“日本正統トラッド精神”や“新渡戸稲造の武士道精神” をアピールしてやるか・・・。

・・そして台北での宿泊先は、満心企業傘下の中山北路二段・「山水閣大飯店」でありました。

<台北市内マーケットリサーチ>

「営業の“接客・商談” の心得とは“剣の立ち合い”と同じだ。商談もプレゼンも国家首脳会談も、人間対人間の駆け引きならば、“剣の道”も“営業の道”も同じである・・・。まずは相手を読み、間合いを計り、見切りを付けねばならない。そして繰り出す技は、人間を生かし幸福に導く“活人剣”でなければならない。」
・・・などと、かつて私は述べていたが、
古来より武道の達人達の基は、「孫子の兵法」であった。義経流・楠流・甲州流軍学そして柳生流兵法・山鹿素行・等々。よって人間の行動は、相手との「五事七計」を調査・比較・判断し、その後に、行動を始めるのが順当であろう。「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」なのである。

・・・まずは、市場調査からであった。

満心企業営業部長の蔡さんに案内して頂いた市内大型百貨店は、東京・大阪と同様に10店舗近くがあった。各有名店と客動向をかたっぱしから見て回った。

新光三越、太平洋そごう、阪急百貨・・欣欣、東東、来来等であった。各店売場構成は、ライフスタイル別よりもアイテム別展開であり、販売形態は日本大規模小売店様式と同じだった。

そしてそのほとんどの紳士服売り場において、満心企業様は「MENS CLUB HOUSE」という名の1020坪の日本同様のトラッドコーナーを設置していた。そして又、数十名の満心企業販売社員達が接客をしていた。

素敵な女性達であったが、椅子に坐っている店員が多かった。
そして彼女達の、待ち姿勢、挨拶、お辞儀、接客販売技術のレべルは、ロンドン・NY・東京の百貨店や、青山Kent Shopカリスマ伊藤嬢とは、比較が出来なかった・・・・う~ん困った。


文化風土歴史の違いも有り、いちがいには東京との比較は出来なかったが、これでは在庫管理・売上管理・計数管理力も・・どれほどの物だろうか?

・・・かつての都内百貨店での女子販売員教育の苦労の経験が甦る。
たとえ日本であっても女性にトラッドを理解して頂くのは男の数倍難しい。この地で彼女達にWASPIVY歴史や弊衣破帽のIVY精神の話をしてみても、IT IS NO USEかもしれない。

さても明日の講義内容は、精神か技術か?女性には理解の難しいトラッド精神・紳士道うんぬんよりも初歩の被服の歴史や販売接客基本業務のみに内容を絞るべきか・・?
嗚呼、どうしたものか・・・なぜ男子販売員が少ないのだろうか?)


<トラッド販売講習会>


そして私と大川君は、満心企業会議室に集合した販売嬢の皆様達に、2日間日程の講習会を開始したのであります。まずは、サービス業とは何か?販売とは何か?の基本説明からだった。

第一部 販売基本心得
 1、挨拶・笑顔 2、礼儀・服装・身嗜み
第二部 開店準備
 1、出勤・員数在庫確認・清掃・商品整理 2、朝礼・業務予定確認・予算確認
第三部 販売接客
 1、開店挨拶2、基本的言葉使い・電話応対法3、お客様の見分け方
 4、アプローチ方法・販売テクニックの基本
第四部 待ち時間業務
 1、商品整理・商品知識学習 2、顧客管理・消費者動向の把握
 3、売れ筋商品・流行商品の調査
 4、百貨店社員との人間関係・商談等
第五部 閉店後業務
 1、売上日報作成・売上報告 2、在庫確認・商品フォロー発注業務
 3、ディスプレイ・レイアウト変更作業 4、夕礼・反省会・・・等々。



私達は、中国語・英語にも不堪能のため、蔡さんの通訳協力を頂き、専門・業界・学術用語等の能書きは省いた、販売実演デモを中心にして、実例・経験談・笑い話を多用しての説明に努めた。彼女達を笑わせる事には成功したのだが・・・、果して・・・十分お役に立てただろうか?(※・・・ああ女子高の先生にならなくてよかった!)


追伸
出張最終日には丸一日の自由時間を頂き、しっかり故宮博物院、台北電影文化村(映画村)等を見学しました。飲食店街の“シジミ料理や黒松サイダー”が懐かしい美味さだった。台北の人々、人情、景色は皆素敵だった!


台北・自由広場門 (台湾観光地ガイドより) ・ なお画像は加工してあります。
下の中国語音声は 「 ここは、自由広場門です 」 と言っているはずです? が!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく




“VAN SITE”ZOKU-SEISHUN VAN NIKKI 141
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