▼2017年2月4日(土)
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの 「 時の人 」 ドナルド・トランプ米大統領ではあります。
我が国の首相も昨年、慌ただしく、そしていそいそとトランプ詣でを行い、親米追従国家としての真価を発揮したのです。
しかし、時の人の電光石火とも言える数々の問題を抱えた大統領令、中でも移民拒否政策 ( 入国禁止 ) に関する発令には、アメリカ国内はもとよりヨーロッパ諸国、ドイツ、フランス、そして最重要同盟国中の “ FIVE EYES ” 筆頭に籍を置くイギリス、さらに隣国カナダなどを中心に、移民問題をテロ問題にすり替えた対応の当該大統領策を非難し、イスラム7カ国出身者 ( 大統領とは関係が薄くまた過去のテロ行為には加担していない ) の入国禁止反対を表明しています。
これに対し我が国首相は国会でアメリカ大統領令に関して、「 私がコメントする立場にない 」 などとアメリカ擦り寄りぶりを遺憾なく発揮する有り様。世界の笑い物になるスタンスを明確にしています。
そんな中、時事通信は次のような記事を発信しました。
入国禁止一時差し止め=全米で即時効力―連邦地裁―ビザ無効は6万人
時事通信 2/4(土) 9:42配信
【ロサンゼルス、ワシントン時事】
トランプ米大統領によるイスラム圏7カ国出身者の入国禁止令をめぐり、西部ワシントン州シアトルの連邦地裁は3日、大統領令執行の暫定的な差し止めを命じた。
米メディアによると、これにより入国禁止措置が直ちに全面解除されるかは不明という。トランプ政権側の反応はない。
差し止め命令は全米の入管で即日効力を持ち、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7カ国すべての出身者が対象とされる。
これまでにニューヨークやロサンゼルスなどの連邦地裁で、移民ビザ(
査証 )保有者らの入国許可を命じる仮処分が出ているが、大統領令の執行を全面的に差し止めたのは初めて。
「 米国第一 」 を掲げて一連の措置を正当化してきたトランプ大統領にとっては大きな痛手となりそうだ。
ワシントン州のファーガソン司法長官は地裁命令を受けて
● 「 憲法の勝利だ。 大統領でさえも、法を超越しない 」 と強調した。
一方、国務省は3日、入国禁止令で米国に入国していない約6万人のビザが無効になったと明らかにした。その上で 「 個々人は一時的に不便を被る 」 との認識を示したものの、無効になったビザが再び有効になるのかどうかは説明していない。
トランプ氏は1月27日、入管制度を強化するため、難民や7カ国出身者の入国を一時禁じた大統領令に署名。これを受けてワシントン州は同30日、憲法に定められた法の下の平等や信仰の自由を侵害しているとして提訴していた。
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一方アメリカのIT企業もこの大統領令に反旗を翻している。
【ワシントンAFP=時事】
ドナルド・トランプ米大統領が難民の受け入れ停止やイスラム圏7か国の市民の入国禁止などを指示した大統領令について、米IT企業が広範な連合を組んで法的な対抗措置を取る検討に入ったことが関係者の話で分かった。
多数の移民を雇用する米IT業界はこの措置で大きな打撃を受ける恐れが出ている。
関係者によると、法的措置を協議する会合には20社余りが参加予定となっていた。
グーグルの親会社アルファベット、ネットフリックス、エアビーアンドビー、ツイッターなどが参加したもようだ。
他にも、アドビシステムズ、ドロップボックス、モジラ、イェルプ、スペースXなども招待されたか参加したという。
IT企業の社員は匿名を条件に 「 まだ初期の段階だが、サンバーナーディーノのiPhone(アイフォーン)のケースと同様の措置になるだろう 」
と述べた。
2015年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射事件をめぐり、米政府はアップルに対し容疑者が持っていたアイフォーンのロック解除を命じたが、IT大手各社はそれに抵抗し、アップル側を支持する法廷助言書を共同でまとめた経緯がある。
〔AFP=時事〕(2017/02/01-14:24) |
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以上の記事を見ても、アメリカの民主主義がしっかりと機能するものであり、残念ながら我が国のそれよりはるかに成熟したものであることが見て取れるのです。
民主主義とは、誰かが計らずも言っていたように 「 天与 」 のものではなく、民衆が動いて勝ち取ったもの、従って国民一人一人が民主主義とは何かをしっかりと考え、育んでいかなければその手中からあっという間に飛び去ってしまう。
歴史の中で、国民主体の民主主義獲得運動を起こした経験がほとんど無いこの国の人々にとって、現在かろうじて存在する民主主義の断片をしっかりとその身に繋ぎ止めておかないと、現政権下では簡単に雲散霧消して仕舞いかねない状況がそこかしこで醸成されている、この事に多くの人々が早く気づいてくれることを祈るばかりです。
因みに、
国境なき記者団により毎年発表されている “ 報道の自由度ランキング ” で日本は次のような結果となってしまいました。
何とかしましょうよ!
記 : 2月4日 |