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青春VAN日記34 

池袋西武の巻 その18

VANにはVANらしさがあるように、Kentには伝統のKentらしさがある。
日本のTRADITIONAL・CLOTHINGの源であるKentとはいったい何であるのか、
Kentの考えるTraditionとはどのようなものなのか。
何はさておいても、これだけは、社員の使命として次の世代の販売社員達に
伝えていかねばならない。つまりそれが“伝統”だから。

TRADとは一つの社会学、そして思想である。学問は序論、概論、学史、総論と
学ばなければならないが。はてさて、Kentのイメージである“正統”“伝統”
“本物”を分かりやすく説明するにはいったい何をどうしたものか。

<横田店長の販売社員トラッド教育講座>

衣服とは(基本知識)
「衣服の呼び名」
私たちKentの取り扱う商品は“衣服”(業界では紳士衣料品という)です。
その中でも産業革命以後、近世文明世界の中心となった英・米の紳士服、
とりわけTraditional clothing(正統紳士服)を旨とします。
英米では“衣服”の総称をclothing(クロージング)と言います。
これは身にまとう物全体の呼び方です。同義語・別表現もたくさんあります。
 
Gament(ガーメント) 格式ばった上品な言い方。洋服メーカーが良く使う。
Dress(ドレス)      装飾的見地から見た正装服や女性服の呼び方。
Costume(コスチューム)  歴史的な、ある時代ある地域の特有な服の呼び方。
Wear(ウェア)      特定の使用目的をもった衣服。
(スキーウェア、ビーチウェア)
Suit(スーツ)      上着と組下とが対になっている服(ビジネススーツ等)
Apparel(アパレル)  特に外衣(アウターウェア)を表わす格式ばった語。 
                                 etc。
「各アイテムの呼び名」
◎ Suit(スーツ) 
背広上下のこと。上着とスラックスだけのものはtwo-piece-suitと呼ぶ。三つ揃い(チョッキvestを加えたもの)はthree-piece-suit。 (*日本語読みして、SUITSと複数形にしないこと)

◎ Jacket(ジャケット)
上着の総称。英米ではCoat(コート)ともいう。
特にフランネルやサージ素材の生地にメタルボタン
の付いている上着は、Blazer(ブレザー)と呼ぶ。

◎ Trousers(トゥラウザーズ )
折り目正しいドレッシイなズボンのこと。
普通の替えズボンはSlacks(スラックス)。チノ、デニムなどカヂュアルな物は
米国式にpants(パンツ)と呼ぶ。短いパンツはShorts(ショーツ)。

◎ Shirt(シャツ)
英語のシャツはワイシャツ(語源White-shirt)のこと。下着はUnder-shirt.

◎ Sweater(セーター)
頭からかぶるPulloverと前ボタンのCardigan(語源カーディガン公)、
とっくりセーターはTurtleneck

◎ Tie(ネクタイ)
米語ではNecktie etc, (その他省略)
 
「衣服の歴史」(人間が衣服をまとう理由)
地球上のあらゆる生物の中でも人間だけが衣服を身にまとっています。
原始の昔の毛皮を持たない生物である人間は、寒暖厳しい自然環境の中で
生存するために、どうしても衣服を考え出さねばならない必要があったのです。 
最初は 非力な身体を外的な衝撃から護るため(保護機能)と厳しい気候の
変化の中で、体温を保つため(保温機能)。
まずは生きていくためには、衣服が絶対に必要だったのです。

古代文明が発生してくると、集団生活の中から身分・地位が発生していきます。
日本でも縄文時代には集落(ムラ)が発生し、ムラオサなど地位が生まれます。
誰がオサなのか誰が見ても分かることが、衣服に求められます。
さらに隋をまねた聖徳太子の冠位一二階などの様に身分制は細分化されて
いきます(表意機能)。それとともに、ますます大規模化していく戦い・
争いの中で、少しでも命を長らえるために、鎧・軍服などが発達していきます。
また、生活作業が分業化し、職業というものが発達してくると、それぞれの
環境の中での作業に適した衣服が必要となってきます。
また、集団作業の中で、だれが何をしている人なのか、第三者が分かりやすい
衣服が必要になります。(作業機能)。

簡単に言うと、これらの発達の要素が、衣服本来の、人間が生きていくため、
生活し易くするための重要な要素です。これらを“機能”と呼びます。

そして、社会が安定し豊かになり、大規模、複雑化してくると、本来の
生存機能とは別要素が衣服に発生してきます。

富裕な貴族や商人達の中では、他者に対する優越感、みえ、外聞、などの
精神的・差別化要素を衣服に求めるようになります。
他者の持っていない珍しいもの、他者より高価なもの、他者より目立つ派手なもの、これらを身にまとい“優越感”に無上の喜びを感じる要素。
あるいは異性の気を引くことを目的とする要素。
生存機能よりも、他者からの評価、見栄えの良さ・芸術的要素に重点を置く、
これらの流行衣服のことを、私達は、特に“ファッション”fashionと呼びます。
 
それらとは別に衣服本来の機能と役割を脈々と現代に伝えている衣服こそ
Traditional Clothingと言えましょう。
トラディショナルは、あらゆるファッションの原点・基本なのです。

「男の服には、becauseがある。」
「必要性があるからこそ生まれ、実用性に富んでいるからこそ受け継がれてきたものがトラディショナルだ。」
・・・・・石津謙介。        

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく



横田君(左)と君塚氏

1982年の横田店長、あっ違った販促部長と君塚氏です。
撮影場所はひょっとして環6バイパス沿い、西郷山公園辺りでしょうか。




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