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青春VAN日記93

本社営業の巻 その36(1977年夏)

<北海道サイクリング旅行C>

哀愁と傷心の旅は、いよいよ本日、最難関のコースを迎えることになった。

海抜0mの岩内から、倶知安峠、羊蹄山(1,890m)、を越え、京極、喜茂別を通って洞爺湖までの約100km。
全・山岳コースである。

地図上の山道10kmは、平地の30km以上の距離感に相当する。
その疲労度も平地の3倍以上である。

去年、沼田からの金精峠超え(標高2,024m)では、登り道が50kmも連続し、永遠に続くのではないかと思うほどの苦しい思いをした。

今日のツーリング・コースは、それに匹敵する山岳コースであろう。

・・・それでも、道が続くかぎり男は行かねばならぬのだ!

これが人生なのだ。人の一生は重荷を背負いて遠き道を行くが如し、也。

前途の困難な状況に正面から立ち向かい、苦しみに幾度も挑戦することは青春の若者だけに与えられた特権なのだ!

苦あればこそ楽あり、山道の険しさを嘆くより足を速めて進むにしかず!鉄は熱いうちに打て! 

青春とはなんだ!これが青春だ!


何といふ曲がりくねり

迷いまよった道だろう

自堕落に消え滅びかけたあの道

絶望に閉じ込められかけたあの道

幼い苦悩に もみつぶされたあの道

振り返ってみると

自分の道は戦慄に値する

誰がこれを生命の道と信ずるだろう

それだのに

やっぱり此れが生命に導く道だった

そして僕は此処まで来てしまった

此のさんたんたる自分の道を見て

僕は自然の広大ないつくしみに涙を流すのだ

あのやくざに見えた道の中から

生命の意味をはっきり見せてくれたのは自然だ

これこそ厳格な父の愛だ

たうとう自分をつかまへたのだ


歩け、歩け、

どんなものが出てきても乗り越して歩け

この光り輝く風景の中に踏み込んでゆけ

僕の前に道は無い

僕の後ろに道は出来る

ああ、自然よ

父よ


僕を一人立ちさせた広大な父よ

僕から目を離さないで守る事をせよ


常に父の気魂を僕に充たせよ

この遠い道程のため

この遠い道程のため

                 (高村光太郎 道程より




   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく

           











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