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続・青春VAN日記56

ケント社の巻 その231983年夏)

<石津謙介アイルランド漫遊記5・コーク・CORK
                因みにcokeではありません。


“石津流海外旅行・コーク市の場合”

8月21日、さて首都ダブリンでは、日本人ほろ酔い集団と化したアイリッシュセッタークラブの面々は、ダブリンから南に200km、アイルランド第2の都市コークへと向かうのでした。

ダブリンの語源が“黒い水”であったのは、この地が広大な“泥炭層”に覆われているからだった。

そしてこのなだらかな丘陵地帯が続く黒い大地・コークには、
眼にも鮮やかな“グリーンフィールズ”が広がっていた。

黒と緑と空の抜群のコントラスト。



アルコールの抜け切らない全身が、洗い清められるようだった。

WHAT A BEAUTIFUL TRADITIONAL ISLAND !!!!!


そして緑の丘陵の麓には、静かに小川が流れ、川に架かった古い石橋の上にはツイード上着にハンチング帽姿の釣り人が数人。


思わず車を止めさせた会長は、釣り人に声をかけ話込んでいる。

まるで景色の中に溶けこんだようなそのカットに、ホットドッグ誌の
カメラマンも、おもわずシャッターを押すのであった。

緑の景色の中に人家はほとんど無く、あるのは古い崩れかかった砦の遺跡や草生す墓地の十字架ばかり。
この素晴らしい風景をいったい何と表現したらよいのだろう。
思わず、誰からとも無く“グリーンフィールズ”のメロディが流れ出て来るのであった。



コークに到着した会長は、市役所を表敬訪問し、古城を見学した。英欧の歴史には明るくない私達でも、中世の西欧城郭の凄さに目を見張った。


その城壁の高さ巨大さ・石造りの頑丈さ・・・。
これでは戦神・新田義貞でも鎌倉攻めの様には行かないだろう・・・。



・・・もし真田幸村の精鋭軍をこの地に置いて野戦をさせたら、
バイキングの攻撃や、ノルマン人の襲来と、どう戦っただろうか・・・?

楠正成なら、どう守っただろうか・・・?


はたして秀吉や家康だったら、どう攻撃しただろうか・・・?


(あやうく妄想の世界に陥りそうな私であった)




さてコークでの石津流,旅の楽しみ方は、郊外の民宿での宿泊であった。


「大都会の一流ホテルでの宿泊も素敵なものだが、こんどは田舎の民宿に泊まって、この地の人と交流を楽しんでみよう!」

カラハンさんの民宿“ASHLEE LODGE”は郊外の緑の中にあった。
民宿とはいえ、軽井沢のプチホテル以上にお洒落な家だった。



コーク風リビングルームで会長は語ってくれた。

「無計画、勝手気ままに遊ぶのが、僕の理想の旅のパターンだ。趣味違いの他人の計画やお仕着せのツアーはまっぴら御免だ。旅、というのは楽しむべきもの。どこへ行って、どうすれば、本当に楽しい旅ができるかを自分流に考えてこそ、本当のトラべラーになることができるのだ。

それにはまず無計画に出かけるのが面白い。

ガイドブックの名所旧跡見学よりも、自分だけが見つけた自分だけの思い出を作る事に旅の価値がある。」
・・・石津謙介


静かな環境の中で、アフタヌーンティ-を味わい、久しぶりのゆったりとした午後のひと時を過ごしていると、ガイドのちふささんがやってきた。
「石津先生、今日の夜は “リンチさん”という方の御宅で、歓迎パーティをやっていただける事になりました。
10km程離れた場所にある御宅ですので、夕方になりましたら、皆様、タクシーにてお出かけくださるようご用意願います。」



夏のアイルランドは日暮れの時間が遅い。7時を過ぎても明るかった。

ネクタイ姿に着替えた私達は、6時からタクシーの到着を待っていた。


「ちふささん、ここでは夕方っていうのは夜8時のことなんですか?
それにしてもタクシー来るの遅いですねえ?」


「ええ、ここは“アイルランド”ですから!」


(当初は私達に不審気な表情だったアイルランド生まれのガイドさんも、今では「石津先生みたいな日本人に初めて会いました」と
会長の人柄にすっかりファンとなり、打ち解けていました。)

先発隊の石津会長、社長連、女性グループはすでに出発していたので、後発組の大泉・鳴島・愛甲・私の4名は、アイルランドタイムで遅れてきたタクシーにあせって乗り込むのでした。

運ちゃんを急かしたのがいけなかったのか、車は飛ばす事・都バスこと!

家一軒無い真っ暗闇の森林の中を、
100kmのスピードで走る恐怖感!

「おーカミカゼ!死んじゃうヨー!」「抗苦(コーク)のタクシーだ!」

車内での会話、
鳴島「しかし、民宿から夜の外出なんて学生時代の合宿みたいだヨ」

横田「そうそう、志賀高原とかで夜先輩に買物に行かされたりしてネ

大泉「一人じゃつまらないから、女性部員も連れ出したりしてサ」

愛甲「そうそう、暗い夜道で胸がドキドキしたりしてネ」

大泉「つい木陰で押し倒しちゃったりしてネ!」

横田「ちょっとー、課長それはまずいでしょう。売場の娘達に喋りますよ~。全部録音しているんですから~、」

大泉「それだけはカンベンしテ~」

とか言っている内に・・・なんとかタクシーは無事リンチさん宅に到着した。
分厚い大きなドアの立派なお宅でした。



GOOD EVENING」「HOW DO YOU DO!」

女子中学生と思われる二人の娘さんが出迎えてくれました!

一同「OH! PRETTY~!!


会長「おー、遅かったじゃないか、早く来なさい、どーした?

鳴島「実は宮川さんがバナナを食べたらジンマシンが出まして・・・大したことは無いらしいですが民宿で留守番です。

会長「そーか、君らヤングマン達が到着するのを待ってたんだよ。
それでは、改めて乾杯!“スローンタ”



・・・リンチさん御夫婦の待つ部屋には、ピアノとギターがあった。
娘さんたちがピアノの演奏を聞かせてくれた。(いいねえこーゆーの)


会長「僕もお礼に日本の歌を唄ってあげようと思ったんだが、娘さん達は日本の曲が分からないので伴奏できずに困っていたんだ。司会とギター伴奏の出来る君を待ってたんだよ。よし今日は唄うぞ!」

愛甲「それでは僕達バックコーラスをやらしていただきます

横田「♪皆様、大変長らくお待たせいたしました。今宵、夜空に燦然と輝くアイルランドの星の下、本来出会うべくもない、地球の東の端から西の端へ、不思議な縁で、東洋は日の出ずる国よりやってまいりました我等が石津会長が、せつせつと歌い上げます。“北国の春” どうぞ~!
・・・拍手~!


パーティーは大盛り上がりとなった。

会長と高木社長が仲良く歌っているツーショットは、あの大阪北炭屋町のⅤ社の青春時代をほうふつとさせた。

高木社長奥様も女子高生のように歌った。


やがてはリンチさん御家族といっしょに、アイルランド民謡の大合唱大会となった。日本人にも身近な歌ばかりだった。

“庭の千草”・“はにゅうの宿”・“ダニーボーイ”・
“浜辺の歌”・“ロンドンデリーの歌”・・・
          (ついでに“ロンドン橋落ちた”の唄も)

そして“ほたるの光”・・・。


コーク市郊外の歌声は、夜遅くまで続くのであった・・・。


・・・ところで迎えのタクシーはどうした?

“ここはアイルランドですから”
               ・・・ちふささんの返事だった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく









“VAN SITE”ZOKU-SEISHUN VAN NIKKI 56
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