PAGE1 PAGE2 PAGE3 PAGE4 PAGE5 PAGE6 PAGE7
PAGE8
PAGE9
PAGE10
PAGE11
PAGE12
PAGE13
PAGE14
PAGE15
PAGE16
PAGE17
PAGE18
PAGE19
PAGE20
PAGE21
PAGE22
PAGE23
PAGE24
PAGE25
PAGE26
PAGE27
PAGE28
PAGE29
PAGE30
PAGE31
PAGE32
PAGE33
PAGE34
PAGE35
PAGE36
PAGE37
PAGE38
PAGE39
PAGE40
PAGE41
PAGE42
PAGE43
PAGE44
PAGE45
PAGE46
PAGE47
PAGE48
PAGE49
PAGE50
PAGE51
PAGE52
PAGE53
PAGE54
PAGE55
PAGE56
PAGE57
PAGE58
PAGE59
PAGE60
PAGE61
PAGE62
PAGE63
PAGE64
PAGE65
PAGE66
PAGE67
PAGE68
PAGE69
PAGE70
PAGE71
PAGE72
PAGE73
PAGE74
PAGE75
PAGE76
PAGE77
PAGE78
PAGE79
PAGE80
PAGE81
PAGE82
PAGE83
PAGE84
PAGE85
PAGE86
PAGE87
PAGE88
PAGE89
PAGE90
PAGE91
PAGE92
PAGE93
PAGE94
PAGE95
PAGE96
PAGE97
PAGE98
PAGE99
PAGE100
PAGE101
PAGE102
PAGE103
PAGE104
PAGE105
PAGE106
PAGE107
PAGE108
PAGE109
PAGE110
PAGE111
PAGE112
PAGE113
PAGE114
PAGE115
PAGE116
PAGE117
PAGE118
PAGE119
PAGE120
PAGE121
PAGE122
PAGE123
PAGE124
PAGE125
PAGE126
PAGE127
PAGE128
PAGE129
PAGE130
PAGE131 PAGE132
PAGE133
             


続・青春VAN日記81

ケント社の巻 その481984年夏)

<アイリッシュセッタークラブ・イタリア旅行④>

<ローマの休日>
主人公の二人は、最後の最後まで、告白めいた言葉ひとつ口にしない。それなのに映画を見ている私たちは、・・・二人が体験する胸のときめき、お互いの相手を思いやる気持ち、別れるときの身を切られるようなせつなさ、あの胸が苦しくなるような、純粋だった頃の美しい恋愛感情が甦る。

青春のあの頃“こんな恋をしてみたい”と素直に憧れたあの映画を、“人生はままならぬ”と知った今、もう一度思い出した感動!

あまりにも清素で美しいオードリーヘップバーン。



いかにもアメリカ男代表のグレゴリーペック。



ベスパで走る二人の背景に映る古都ローマの美しい風景。
ムードを盛り上げる美しいストリングスの音楽。

たった1日の出会いの恋物語が、一生消えない思い出を作る!

・・・ああ、映画って本当にいいもんですね!

 
あっ!! マ チ ガ エ タ かも・・・?


【・・・それにしても、近年のテクノやデジタル系の音楽を耳にするにつけ想う。かの時代のアコースティックなスクリーン音楽はなんと素敵なのだろう。

駅馬車、ウエストサイド物語、嵐が丘、グレンミラー物語、死刑台のエレベーター、
禁じられた遊び、鉄道員、太陽がいっぱい、黒いオルフェ、男と女、白い恋人達、シェルブールの雨傘、いそしぎ、ひまわり、ベンハー、サウンドオブミュージック・・・、

ハリウッド映画のきらびやかで豪華な世界、ヨーロッパ映画の繊細で心に染入る世界、ディズニーの万華鏡のようなファンタジーの世界、

JAZZでも繊細で優美で名画のようなクリフォードブラウンwithストリングス、シナトラ、ビリーホリデイ、エラ、メルトーメ達のストリングスオーケストラ物。

なんと美しい世界なのだろうか!
音楽の中に曲の中に人生のシーンがある!


それにひきかえ近頃TVから流れる、情緒も風情もワビサビのかけらもない・・・、
ただ騒がしいとしか思えない、若者向けの流行音楽曲
ああ不易流行。



・・・かのローマ帝国の古文献にも、“まったく今時の若い奴らときたら・・・”
と嘆く大人達の愚痴のような文があったそうな。

・ああアナログ音楽男は、すっかりオジサンになったようだ・。】



さて今日は、終日の“ローマの休日”観光コースである。

チャーターバスの私の隣の席は、ヘップバーンならぬ“堀さん”だった。

ローマ帝国遺跡の地、“フォロ・ロマーノ

数々の映画で見た、近年はブルース・リーも登場の“コロッセオ

あの、嘘をつくと手を噛まれる“真実の口



緑の並木の“ヴェネト通り

思い出の“トレビの泉

ジェラートをほうばった“スペイン広場

テーベ河の畔“サンタンジェロ城

そして圧巻のバチカン“サンピエトロ大寺院”・であった。



街角に出ると、名所旧跡はどこでも世界中からの旅行客で溢れ賑わっている。さすがは世界有数の観光都市だ!

お土産屋は、まるで日本の修学旅行生徒のお土産買い物No1“木刀やキーホルダー”の類と同じような玩具や、子供だましのチャチなお土産品の大露店大会だ。(でも好きなんだヨネ、こーゆーの)

私は、お土産は買わない主義である(虚礼廃止論に賛成だ)。
・・が、
楽しい・くだらない雑貨は大好きだ。(ブランド店より日用マーケット派

人前なのに抱き合ってキスをする若者達がやたら目立つ(恥を知れ!)

“トレビの泉”の周りにも、実に怪しい店が多かった。店先には、偽ローレックス、ヴィトン風?バッグが溢れていた。

異様に安い(500円ぐらい)レイバン・サングラスが私の目に入った。もちろんマガイ物だが、ケースまでが本物とそっくり。

これはVansportsから発売されていた本物のRay・Ban

だがよく見ると、RAY-BANではなくRAY-CANだって!(面白~い)

この辺が、ニセ物を本物と偽る某国の詐欺犯罪行為と違い、最初から、おふざけとシャレ狙い商品である)

これには笑いが止まらなくなって思わず買ってしまった。(バカだねえ)


他にも、逆さにすると衣服が消えて女性が裸になるボールペンだとか、操作するとズボンの前が膨らむ仕掛けの人形とか・・、(アホだねえ)

そして、宮川さんが一見まともそうな靴店でイタリアンブーツを買ったら、なんと、左右・足のサイズの違う商品が入っていた!



ワッハッハ!会長の言ったとおりだ!

イタリア人は植木等・高田純次だ?! 最高だ!




スペイン広場では、ジェラート店がいくつもあり、私達は何種類も買い食いしては、階段で食べ比べしていた。
すると階段のそばの
アイス屋のおじさんが声を掛けてきた。

ぺらぺ~ら、ペラペ~ラ・・?と、店前のバイクの前へ連れていく。

「・・・おまえらは日本人だろ、日本にはホンダがあるが、俺のバイクはもっとスゲーぞ、どうだこれが俺様のモトグッチだ!どうだいよく見てくれよ!売ってもいいんだぜ!安くするぜ!」
と、バイク販売?が始まってしまった

プロ営業マンの私に物を売りつけるとはいい度胸だ!イタリア男は全員が高田純次なのだろうか?だがあまりに陽気な憎めない人柄に、大笑いしてしまった。)


そして、人ごみの中には、必ず不審な子供達の集団の姿が在った。これが世に名高い流浪の民“ジプシー”だった。

観光客が、“まあかわいい”などと言って近寄ると大変な事になる。子供の集団に取り囲まれて、持ち物を身ぐるみかっぱらわれてしまう。

子供を捕まえて叱責でもしようものなら、今度は大人の集団が出てきて有り金残らず喝アゲされてしまう。日本人が一番のカモとの事だった。


私達は、イタリア旅行前から何度も、盗難に対する日本人の不用心さと危機意識の無さについての注意説明を受けていた。)

私も一応は、危険な独り身で日本中を旅する営業マンのはしくれなので、周囲に注意を配りながら歩いていたところ、マイクやウォークマンを持っていたのが注目を引いたのか、子供達の一群が近寄って来るのに気付いた!

・・・OHNO!マフィアとジプシーは怖い!

ひたすら無手勝流奥義、“逃げの一手”の私でありました。



それにしても、ローマの街角の若い娘達には、ソフィアローレンや
ジーナロロブリジータ、クラウディアカルディナーレ、のようなスタイルの良い美人がたくさん居た。・・・というのに、何故、彼女達は中年になるやいなや、ドラムカンのようなおばさんに激変してしまうのだろうか?

それこそローマの七不思議だ!


そして、呼び込みのおばちゃん達の会話のなんとも騒々しいこと!路上でも店内でも、“ぺらぺ~ら”。又その声の大きいこと!

かつて、その口数に閉口した大阪ミナミのおばちゃんどころではない、のべつ幕なしに“ペラペラ・ペラペ~ラ”すごい言語パワーだ 。

ああ~アメ横のガード下よりも、女子校の教室よりもうるさい。

口数の少ない静かに燃える男“ムッツリーニ堀さん”は、「ウーム・・」と一言、目が点になっていた。

Signore Muttulini HORI


偉大なる哲人ソクラテスも、権力者のシーザーでさえも、奥さんの口数には勝てなかった・・・と言う。


もしラテン系の女性と口論になっても、絶対に勝てないであろう。


“イタリア女性、実に恐るべし”・・・アモ~レミ~ヨ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく








“VAN SITE”ZOKU-SEISHUN VAN NIKKI 81
Copyright(C) IDEAKONA. All Rights Reserved.